雪の結晶は、スリットアニメーションに
うってつけのモチーフ

  • フェンリルクリスマスカード

クリスマスカードの上でくるくると舞う雪の結晶は、どれも違う形をしています。楽しさを演出するこれらの図案は、どのようにして今の形になっていったのでしょうか。実は、スリットアニメーションはその仕組み上、動かす絵をデザインするには多くの制約を考慮しなければなりません。完成した図案は、届けたい表現と仕掛けの制約をひとつひとつ満たしていく中で、必然的にできたものなのです。

カードの図案

クリスマスツリーと雪の結晶をモチーフに選んだのは、ひと目でわかるクリスマスらしさの演出だけでなく、スリットアニメーションの仕掛けに適しているからです。フェンリルデザインの無邪気さ、デザインに対する無垢でストイックな姿勢を感じさせる、直線的だけどどこか親しみのあるものに仕上げています。

雪の結晶

雪の結晶は、回転する動きが映える形です。しかも六角形なので、360度回転しなくても一周しているように見せられます。スリットアニメーションは、必ず数コマをループする動きしか表現できません。そのため、ストーリーのある動きよりも、回転や変形など、同じ場所にとどまって繰り返す動きに向いています。雪の結晶は、まさにスリットアニメーションにはうってつけのモチーフなのです。

スリットごしに見る図案

スリットアニメーションはしま模様を通して見ます。このとき、スリットで隠れた部分は、見る人が頭の中で無意識に補うことで絵が完成します。そのため、細かすぎたり、形が予想しにくい絵を使うと、よくわからないものになってしまいます。雪の結晶は誰もが知っていて、記号化しやすく、しかも直線で描けるので、スリットアニメーションでも見やすく仕上げられます。

雪の結晶の試作

もちろん、現在の形になるまでには、多くの試行錯誤が必要でした。絵として見応えのあるディテールを保ちつつ、スリットアニメーションでも見やすい単純さを持つ形を、慎重に探しました。試作した雪の結晶を振り返ると、描き込みすぎて六角形に見えなくなったり、細くしすぎてスリットを通すと見えづらかったり、といった紆余曲折もみられます。パターンにしたときのベタ面の面積や美しさにも配慮しています。