誰もが触りたくない
ゴミ箱のふたを解決するデザイン

  • フェンリルデザインのスタジオ

フェンリルデザインのスタジオには、ふつうのオフィスにあるはずのゴミ箱が見当たりません。実は、ゴミ箱は給湯カウンタに内蔵されています。このカウンタも、もちろんフェンリルデザインのオリジナルです。ゴミ箱のために生み出されたともいえるこのカウンタのデザインは、従来のオフィスのゴミ箱がどのように使われているかを観察するところから始まりました。

従来のゴミ箱

フェンリルのオフィスから出るゴミの大半は、お昼ご飯やお茶などの際に出る生活ゴミです。当然、におい対策としてふたが必要になります。しかし、従来使われていたゴミ箱は、ふたを押してゴミを捨てるタイプのものでした。ふたがゴミに触れるので、誰もふたを手で触りたがらず、その結果、ふたはどんどん汚れていきます。これではますます触りたくなくなる悪循環が生まれます。しかも、ゴミ箱がいっぱいになることで、ふたが壊れて閉まらなくなる始末でした。

給湯カウンタ

そもそもゴミ箱にふたをなくしてしまおうというアイディアで、汚れるふたの問題を解決しました。においを防ぐために、ふたを使うのではなくゴミ箱そのものをしまうのです。カウンタに手前に引くドアをつくり付け、ゴミ箱を内蔵することで、このアイディアを形にしています。ドアを閉めればゴミ箱そのものがカウンタの中に密閉されるので、においが漏れません。それに、引き手はゴミに触れないので、常に清潔です。

カウンタの中のゴミ箱

カウンタの中には分別ゴミ箱が6つ収まっています。引き出す重さも考慮して、ドアは2枚に分け、ゴミ箱を3つずつ入れています。ゴミの大半を占める生活ゴミとペットボトルは2つずつ、残りは燃えないゴミと缶という構成です。そして、生活ゴミとペットボトルは各ドアに1つずつ設けるようにしています。こうすれば、どちらのドアを開いても、よく使うゴミ箱は必ず見つかります。

スタジオの入り口

ゴミを捨てるタイミングも考えました。実際の捨て方を見てみると、ゴミが出るたびに捨てるほかに、自分のデスクに置いたペットボトルや缶を帰り際に捨てるケースが多いことがわかりました。スタジオの入り口付近にカウンタを置くことは、終業時にゴミを捨てるために理にかなっています。もちろん、カウンタ上でお茶やコーヒーを入れたときに出るゴミはその場ですぐに捨てられます。